ライブレポ後日譚 “大佐の珍道中日記 part1”

 前回のブログで、ナナシスのグループの一つ、4Uがzepp osaka baysideにて行ったライブの楽しさは伝えられたかと思うが、その後、僕が無事に自宅へ帰るまでに、実はちょっとした珍道中を繰り広げてしまったので、そのことを今回は書いておこうと思う。

 

 

 

 

 

 さて、ライブが終わったあと、余韻に浸りながらもすでに夜が更けてきたため、予めネットで取っていた宿に電車で移動した。そのときには、さすがに歩きすぎたのか左膝が思いの外堪えており、「運動不足だなぁ」と思いつつ、また痛みを堪えつつもどうにかこうにか宿のある駅について、そこから徒歩7分ほどでホテルまで。

 

 

 

 

 このホテルが、実は一筋縄では行かない場所だった。

 

 まず外観。本当に失礼ながら、僕の目にはどう見てもすでに廃業したようにしか見えない外観であり、古びた大きな看板は電光式であるにもかかわらず電気が灯っておらず、閑散とした場所に位置することも相まって寂しさを一層演出しているようである。足の疲労も蓄積していたし、どのみちここに泊まるための予約もすでに済んでいるのだから、今更何を迷うことがあろう、いざ参らんと僕はそのホテルに向かった。

 

 入り口に入ってまずびっくりしたのが、ホテル内も電気がほんの少ししか灯っていなかったこと。どうやら築ウン十年と思しき木造式の建物であるらしく、所々に比較的大きな傷みが目立つ受付が目の前、その隣がリビングのような待合室であることは確認できたのだが、あろうことか合室の電気が一つも灯っていなかった。つまり入り口から真っ暗だった。ホテルでありながら全くもって客を受け入れる気のなさそうな体制、さすがに僕も空恐ろしくなってしまった。

 

 

 

 

 受付には当然のように人が一人もいなかった。気配すらしなかった。みると、「非常時にはこれを押してください」という文言とともに呼び出し用のベルがちょこんと置かれている。今はまさに非常時であると解釈して僕がそれを恐る恐る押すと、全く気配のしなかったはずの受付の奥から一瞬でマスターらしき人が出てきて、「あい?」と面と向かって聞かれた。

 

 このマスター、おそらく相当にお年を召されている様子の、白髪の頭に長年愛用しているようなメガネ、そしてどうやら前歯が盛大にかけているらしい口元。それらに固唾を飲みつつ、僕が「本日、こちらに予約したものです」と告げると、「アイアイ」と一言言って、間も無く受付簿に必要事項を記入することとなった。

 

 早く解放されて休みたいと思ったのでできる限り突っ込みどころのないように丁寧に書いたのだが、書き終わった受付簿を確認しながらマスターが一言、「出発は何時頃になりましょうな?」

 

 ……マスター……、それに関しましては一番上の方に堂々と書きました…。。。

 

 

 

 

 何はともあれ手続きが済み、前払いであったためその場で精算を済ませる。このホテル、実は予約の段階から分かっていた事なのだが、非常にお求め安い価格で宿泊ができるホテルであった。なるほどぉ。そんな風に妙に納得しつつ、木造式の階段を痛い膝を押して登って三階の用意された部屋に行った。

 

 途中、従業員と思しき人と遭遇して、ああやっぱり雇われている方はいるんだよなといささかホッとしたのもつかの間、「ウケピオワリヤシタケー??」と疑問形である事以外全く意味のわからない日本語をぶつけられて、すぐにこの方が日本人ではない事を悟った。「あ、大丈夫です」と僕ができる限り平静を装って答えると、「アソォ? へヒッッッ」となぜかその場で盛大に笑い飛ばされてその方はホテル内の暗闇の中に消えていった。ええ、はい、あの、お疲れ様でございます。。。。

 

 

 

 

 三階の部屋は、こう言っては大変恐縮だが僕が通っていた中学校の教室を連想させた。全体的に少々古びた内装、ベッドはソファーを倒しているような感じで、下には移動式であるらしく車輪が4つ付いていた。こちらのベッド、寝るときに気づいたのだが敷かれたお布団には所々に黒いシミが付いていた。疲れているからすぐに眠れたのが幸いだったと今にして思う。

 

 

 

 

 お風呂には熱湯か冷水かの極端な二択を迫られるシャワー。それも並大抵の二択ではない、熱湯は文字通り5秒もあたれば確実に火傷するだろうし、冷水は3秒も当たれば感覚がはっきりとなくなるくらいには強力だった。

 

 

 

 

 食事つきのプランを予約してなかっため、食事は外に食べに出なくてはならなかった。その部屋で少しくつろいだ後、外に出て散策するも、先述の通り少々閑散とした場所であったため、zeppのある駅同様、そんなにご飯屋さんもなく、散々歩き回った挙句、しまいには探すのに疲れてしまって結局大阪なのに博多ラーメンを食べた。替え玉も注文した。普通に美味しかった。

 

 

 

 

 朝ごはんを買って部屋に戻り、二択のシャワーのうち、迷った挙句寒さには勝てないため、とてつもない熱湯と格闘してさっぱりとした後は、本日の疲れがどっと押し寄せて僕はシミのついた布団で夜を越した。備え付けの窓の外には大阪の夜が広がっており、木造だからか酔っ払いの声が妙に部屋に響いた。

 

 

 僕は思った。「これが大阪か」。……いや、多分違うと思う。。。。。。

 

 

 

 

 

 part2へ続く。。。。。。。